着物の寸法のサイズガイド<教えて!たなえり先生#75>
こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今回はプレタやリサイクル、いただきものの着物など、マイサイズではない着物のサイズ感と許容範囲のお話です。

サイズのチェックポイント
着物の場合「身丈」「身幅」「裄」の3箇所がおおむね合っていれば着ることができます。
ひとつずつ、確認していきましょう。
<1>身丈-着物の長さ
身丈はよく「自分の身長と同じ」と言われますが、サイズ表記が〝肩身丈〟と〝背身丈〟があるので、その点を注意してください。

「肩身丈=身長」が基本ですが、肩や胸に厚みのある方は少し長めにするか「背身丈=身長」の方がおはしょりが短くなる心配はありません。
逆に細身の方は肩身丈を身長より2〜4cmほど短くすると、おはしょりが長すぎずに着やすい着物になります。
▼許容範囲:目安は自分の身長±5cm
これくらいの差だと腰紐の位置や幅で調整可能ですが、それ以上になるとおはしょりが長すぎたり出なくなったりということもあるので、身長±5cmが許容範囲と言えるでしょう。(もちろん長すぎても短すぎても何とか着られるのが着物ですが…)
おはしょりが短い場合は、細目の腰紐でなるべく下の方で結んだりという対処方法になりすが、長すぎる場合は着付けアイテムを使って調整も可能です。
<2>身幅-着物の幅
身幅は身体をぐるっと包み込む寸法になるので、ヒップサイズから割り出します。
前幅=ヒップ÷4+1cm
後幅=ヒップ÷4+6cm【例】ヒップ92cmの場合、前幅=92÷4+1cm=24cm、後幅=92÷4+6cm=29cm
上記計算で割り出した寸法を目安にして、着物の寸法を測ります。

▼許容範囲:実際に着た時、右の腰骨の部分の脇線に上前がどれくらい被っているかで判断します。



脇線と同じくらい、もしくは2〜4cmほど中に入っていると安心ですが、脇線が見えてしまうと少し小さいという判断になります。
脇線が5cm以上見えてしまうと身幅が小さい着物、5cm以上隠れていると身幅が大きいと言えるでしょう。
身幅は多少合ってなくても着ることができますが、身幅が広いと布が余ってしまって着にくくなったり、狭いと前がはだけやすくなりますのでご注意ください。
また身幅が合っている着物を着ると後の背中心の位置が真ん中〜やや右寄りになりますが、身幅が広いと大きく右により、身幅が狭いと左によります。



右脇線の位置と合わせて確認してみてください。

<3>裄-袖の長さ
裄はなかなか自分では測れないので、一度お店で測っておいてもらうとよいでしょう。

測る機会がない方は、着物を着た状態でどれくらいの長さがあるか確認し、その後着物の裄を測ってみてください。

▼許容範囲:目安は手首のぐりぐり。頂点から±2cmくらいだったら違和感がありません。

(ぐりぐりの5cm以上)



(手の甲が隠れる)
ただ、裄は衣紋の抜き加減によっても長さが大きく変わりますので、そのようなケースも想定して判断するとよいでしょう。


裄が短い場合、お直しに出すという方法もあります。(身丈直しや身幅直しに比べて裄出しは比較的価格が安価)
そのまま着たい!という方には洋服用の付け袖などでカバーする方法もオススメですよ〜。


こちらの記事もぜひ参考にしてください!
KIMONOMODERNの既成サイズは「6種類」

KIMONOMODERNでは、様々なご体型の方にも合うよう「6種類」の既成サイズが用意されています。今回のサイズの選び方と許容範囲を参考に、着心地の良いサイズを見つけてくださいね。
