<教えて!たなえり先生>#60-腰紐・伊達締めの豆知識

こんにちは、多奈ゑりきもの教室のたなえりです。今日は着物を着るうえで欠かせない腰紐と伊達締めのお話です。

腰紐について

腰紐は着物を着る上で欠かせないアイテムのひとつ。着付道具が揃ってない!という方でも必ず一本は持っている着付道具だと思います。

いろいろな素材や形状があり、裾を決めるのに使うのか衿を決めるのに使うのか、はたまた帯結びの仮紐として使うのか、使う場所によって素材や形状が変わったり、使いやすさや使い心地で選んだりと千差万別なのも腰紐の特徴です。

上から時計回りに絹地、ゴム、絹、モスリン

紐類について一般的に言われるのが「面で締めた方が苦しくない」という説。太めの腰紐の場合着物との接地面も多くなり、ずれにくく安定感が増します。

しかし、使っていくうちにどんどんしわになり、そもそもの「面で締める」ということができなくなってしまうこともあるので、こまめなお手入れ(アイロンや五角形畳み)で常に面で締められるように整えておくことがポイントです。

平たい腰紐の五角形畳み

絹や絹地(きんち)の腰紐はそもそも生地が薄いので、こまめにアイロンをかけていても使っていくうちにどんどん細くなっていきます。そんな細いタイプの腰紐でも「短いおはしょりを最大限長く出るようにする」という時に活用できます。

絹地腰紐の使用前の新品(上)と使用後(下)

ゴムタイプは紐と比べて楽そうに見えますが、実はゴムこそ使用する前の調整がマスト!ゆるすぎると全く腰紐の意味がなくなりますし、逆に強すぎると紐よりも苦しくなります。

ゴムの長さの調整方法はゴム引っ張らずに左右の腰骨の長さに合わせ、その長さの3倍強(ゴムの劣化具合によって多少調整が必要)にしておくとちょうどよい長さにすることができます。

また着物との相性やその日の体調で腰紐を使い分けるのもオススメ。私も着物を着始めてすぐの頃はゴムタイプを使ってましたが、今はすずろ腰紐、ゆかたの時は絹地を使ったりします。

腰紐の素材や種類に関しては以前コラムに詳しく書いていますのでこちらも参考にしてください!

伊達締めについて

伊達締めの形状はざっくり分けて2種類、結ぶタイプか面ファスナーで留めるタイプか。

結ぶタイプの素材は正絹やポリエステル、綿や麻などいろいろな素材があります。ポリエステル素材のものには一部がゴム状のシャーリングになっているものもあります。

面ファスナータイプはポリエステルやナイロン、ポリウレタンなどで出来ているものが多く、伸縮性のあるものないもの、また通気性の良いもの悪いものなどがあります。

面ファスナータイプの伊達締めは安価で入手しやすいのですが、通気性が悪いタイプは夏場は汗疹になってしまうこともありますのでご注意ください。

通気性のないゴム状の伊達締め

素材別の使い分けの目安としては、半幅帯や兵児帯など前で結んで回す帯結びをする場合はすべりの良い正絹やポリエステルがオススメ、紐を結ぶのが苦手な方や時間短縮をしたい方は面ファスナータイプがオススメです。

また使う場所によってアイテムを変えるという方法もあります。私は襦袢はがっちり固定したいので面ファスナータイプのすずろベルト、着物には博多織の伊達締めを使っています。

ちなみに着物に使っている伊達締めは、夏の時期は少しでも涼しく過ごしたいので紗の伊達締めを使っています。

紗の博多織伊達締め

素材、形状別の特徴比較

伊達締めの素材や形状の特徴比較をまとめてみました。

素材メリットデメリット
正絹よく締まる
帯を回しやすい
カラバリが豊富
劣化しやすい
ポリエステル洗濯ができる、安価
帯を回しやすい
結び目がゆるみやすい
ゴム(伸縮無し)着けるのが簡単
洗濯ができる、安価
がっちりホールド
通気性が悪い
外側のすべりが悪い
ゴム(メッシュ)着けるのが簡単
洗濯ができる、安価
がっちりホールド
外側のすべりが悪い(すずろベルト)

ちなみに正絹の博多織の伊達締めは使っていくと端の部分や結ぶ部分がが擦れてきます。

正絹の伊達締めは劣化して生地が擦れてきます

半幅帯を結んだ時、背中側の帯が下がり伊達締めがこんにちは!なんてこともあります。帯の後ろは高めにと気をつけてていても、伊達締めが見えたりすこもありますので、そんな時は着物や帯の色に合わせて多少見えてもOKな伊達締めを使うのもオススメです。

モノトーンの伊達締め

最近の伊達締めは幅が約10cmくらいの物がほとんどですが、昔はいろいろな幅があったようです。(幅広や幅狭)

真ん中が現在の標準的なサイズの伊達締め


幅に関してはお好みになりますが、幅広の伊達締めは襦袢の時の伊達締めとして胸高に結んで、胸を一緒におさえるという使い方をされている方も多いようです。私は幅狭のものを半幅帯を結ぶ時に使ったりしてました。

伊達締めを本来の使い方以外で使う方法がこちら、おはしょりが長過ぎる問題を解決するアイテムとしても使えます。

男性用の伊達締めも

男性用の伊達締めは幅が5cmほど。それを腰紐代わりに使うと言うこともできます。前述のおはしょりの長さ調整に使ったり、腰紐を使っておはしょりを整えるという方にも男性用の伊達締めは使いやすいアイテムです。

男性用の伊達締め

小物もおしゃれに!

ふだん着物を着る方が増えている昨今、しかし着付小物は未だに白やピンクなどが多いのが現実。一昔前までは黒=喪用とされていましたが、新しく発売されたキモノモダンの腰紐と伊達締めはシャイニーなブラック!最近はおしゃれアイテムのひとつとして黒の小物が使われる機会も多くなってきました。

黒が苦手という方にはネイビーやシャンパンゴールドがオススメ!(私もシャンパンゴールドの伊達締めを使ってます。)

着付小物は消耗品。いくつあってもOKですし、着る着物に合わせてコーディネートを楽しんでください!

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