基本の“き”!衿の整えかた<教えて!たなえり先生#85>
こんにちは、たなえりです。
着物の着姿の印象を大きく左右するのが、衿元。衿がきれいに決まっていると、それだけで着姿全体がすっきり見えます。
でも、着付けをしていると、
「衣紋がなかなか抜けない」
「衿が浮いてしまう」
「時間が経つと衿がなくなってしまう」
という声をよく聞きます。
実はこの3つ、単純に「衿をもっときれいに合わせればいい」という話ではありません。長襦袢の着かたはもちろん、着付けの途中でのちょっとした力加減や、着るときのちょっとしたクセなどが関係していることもあります。
今回は、衿まわりの基本として、この3つのお悩みを取り上げます。
1、衣紋が抜けない!
「衣紋を抜きたいのに、すぐ詰まってしまう」
「後ろを引っ張っても、なかなかきれいに抜けない」
衿まわりのお悩みで一番多いのが、「衣紋が抜けない」という問題かもしれません。
衣紋というと、後ろの衿をぐっと引けばいいように思いますが、実は後ろだけを引っ張っても、きれいな衣紋にはなりません。
まずは、以下の項目をチェックしてみてください。ひとつでも当てはまることがあれば、改善の余地ありです。
- 襦袢をしっかり後ろに引けているか
- 肩山が後ろに送れているか
- (衣紋抜きがついている場合)衣紋抜きだけを引いていないか
- 衿合わせの時、前へ引いていないか
- 長襦袢のサイズは合っているか
2、衿が浮く!
せっかく衿を合わせたのに、胸元の衿がパカッと浮いてしまう。
特に胸元が浮くと、着姿がなんとなく落ち着かず、だらしなく見えてしまう場合もあります。
衿が浮くというのは、前述の「衣紋が抜けない」と連動しているケースも多く、後ろに抜いたはずの衣紋が詰まることで、前の衿が浮いてしまうこともあります。
着物の衿が浮く場合は、腰紐を使っている場合は紐の位置や強さ、コーリンベルトを使っている場合は留める位置やゴムの強さなどが関係することがあります。
以下の項目をチェックしてみてください。
襦袢の場合
- 衿芯が硬すぎないか
- 衿合わせのときに、下を向いていないか
- 胸紐が緩くないか
- コーリンベルトのゴムの強さは適正か
着物の場合
- 着物を羽織ったとき、長襦袢の衿が浮いたままになっていないか
- 着物の胸紐が、衿にきちんとかかっているか
- コーリンベルトを留める位置が低すぎないか、またゴムが緩すぎないか
3、衿がなくなる!
着付け直後はきれいに衿が出ていたのに、しばらくすると半衿がなくなっている……。
これも、着物を着ているとよくあるお悩みです。
この場合は、単純に「もっと衿を広げておけばいい」というわけではありません。
まずは、長襦袢と着物、どちらの衿が動いてしまっているのかを確認しましょう。
長襦袢の衿が開いて半衿が見えなくなってしまった場合は、長襦袢の衿でバストトップが覆えていないか、もしくはそもそも襦袢が小さい可能性があります。
一方、長襦袢はきれいに着られているのに、着物の衿が詰まって半衿が見えなくなってしまう場合は、着物にコーリンベルトを使っているなら留める位置やゴムの強さ、腰紐を使っているなら着物のサイズ感なども関係してきます。
以下の項目をチェックしてみてください。
襦袢の場合
- 衿がバストトップを覆えているか
- 襦袢のサイズが合っているか
着物の場合
- コーリンベルトを留める位置が高すぎないか、またゴムが強すぎないか
- 着物のサイズが大きすぎないか
衿元は「衿だけ」を直さない
「衣紋が抜けない」「衿が浮く」「衿がなくなる」。
一見すると、それぞれ別のお悩みに見えますが、実際にはつながっていることも少なくありません。
衿元がうまくいかないときは、目の前の衿だけを直そうとするのではなく、長襦袢の着かたや肩の位置、紐やコーリンベルトの位置など、少し視野を広げて見てみることが大切です。
そして、着付けは「ここをこうすれば絶対に正解」というものでもありません。体型や着物・長襦袢のサイズ、使っている道具によっても、ちょうどいい位置は変わります。
まずは自分の衿元を鏡で見ながら、「どこが動いているのかな?」と原因を探してみてください。衿元がきれいに整うと、着物姿全体がすっきりと見えてきます。
難しく考えず、まずは自分のクセを知ることから。これが、きれいな衿元への第一歩です。
コラムの内容を動画にまとめているので参考にしてください!
以下のコラムも参考に〜。












