4月の空模様-京友禅 – 碧 ao さんと、夏のリネン
みなさん、こんにちは。
5月に入り、街路樹の緑がぐんと濃くなってきましたね。
原宿の事務所に向かう道すがら、「去年の今頃はまだ引っ越したばかりでバタバタしていたなぁ」と、ふと思い出したり。一年って、本当にあっという間。製作の裏側・・・として「今月の空模様」というタイトルで、毎月製作日記を書いているのですが、4月・・・全然落ち着いて書けなかった・・・涙
なので遅ればせながら・・・なんですが、4月の新作「フレンチリネン着物」の裏側を、書きたいなと思っています。
そう。
実はその一年前の夏に、ある作家さんとの出会いがあったんです。
「えらくファンキーな作家さんだなぁ」
それが、私の碧 ao さんへの第一印象でした笑。
そもそも。ことの始まりは、生地問題でした。
最近本当に、国内の麻が手に入りにくくて。海外のものでさえも、いつものようにはいかなくなっていて・・・・本当は今年、オリジナルの麻100%の縮みを作ろうと思っていたんです。だけど生地そのものの生産が少なくなっていて、メーカー優先の状況。「どうしようかなぁ」と思っていました。(業界の人なら、頷いてくれると思う)
数年前から販売している麻羽織「カゲロウ」も、実はフレンチリネンを使っているんですが、その生地すら手に入らなくなっていました。そんな中で出会ったのが、新しいフレンチリネン。「これ、着物にもいいよね」そう思える、素敵な風合い、素材感、厚み、色合い。
シンプルに無地だけでも絶対可愛いなぁとは思っていたんだけど、何か着物らしいもの、ちょっと一味スパイスをつけるなら——。
そう思った時に、去年出会った碧 ao さんのことを、ピンと思い出したんです。
京都の友禅作家、碧 ao さんとの出会い
ちょうどあれは、夏の日差しが照りつける頃。ラフォーレ原宿で大塚呉服店さんがポップアップをしていて、搬出作業で東京入りしていた大塚社長とランチをした流れで、一緒にお店を見に行ったんです。その隣に出店されていたのが、碧 ao さんでした。
手描き友禅という新しいスタイルで、着物だけじゃなくて、Tシャツや小物、普段から日常的に使うアイテムにまで手描きの友禅を施していらっしゃる。一見、ぱっと見は派手だなぁって思ったんだけど、描かれた柄は本当に繊細で美しくて。聞けば、ものすごい速さで絵柄を入れていってしまうのだとか。
その後すぐ、京都の碧 ao さんの工房にお邪魔しました。彼女、わざわざ駅まで迎えに来てくださって・・・・本当に嬉しかった。工房に案内されると、そこは路面にある可愛いお店で、全然友禅の工房って感じじゃなくて、ちょっとおしゃれなアパレルのセレクトショップみたいな雰囲気。レディースからメンズ、Tシャツからバッグに至るまで、ありとあらゆる商品に素敵な友禅が施されていました。

でも、中でも目を引いたのは、カラフルに彩色されたものではなくて、水墨画のように一筆で描かれた、大胆な作品。(この感性、絶対 KIMONO MODERN と相性がいい)
本当は去年の秋に、デニム着物のキャンペーンと合わせてコラボイベントをしたかったんです。だけどお互いのスケジュールが合わずで・・・・一度は見送りに。

大人のためのちょうどいい、はリネン。
そして、この夏。ようやく碧 ao さんとのコラボが実現しました。KIMONO MODERN はこれまで、浴衣を着物風に着るということを提案してきました。今でもそれは変わらないんですが、大人な着物女子界隈では、やっぱりまだちょっと浴衣で出歩くのは少し恥ずかしい、あまりにカジュアルな気がしてしまうという方が、案外そうそう存在するんですよね。
それに、浴衣だけじゃなくて着物としても着用できると意識されてデザインされたものでない限り、浴衣感は拭えなかったりもするし。浴衣ではない、着物。ほんのちょっとおめかしな普段着なんだけれども、さらりと着れば、それだけでちょっとよそ行きになる。
大人のためのちょうどいいは、やっぱりリネンかな。しかもちょっと私らしさを加えたい。そんなわがままな女子に応えられる、それが2026年のフレンチリネン「ピオニー」と「花束」です。

碧 ao さんの友禅が宿った、フレンチリネン
今回、碧 ao さんに柄を描いてほしいということで、何度も打ち合わせをしました。
「この生地には何色がいいか」
「どういう柄がいいか」
「もう少し薄めで」
「もう少しこっちの色で」
「一旦これを試してもらいたい」
何度もサンプルを確認しながら、KIMONO MODERN の想いを、碧 ao さんが形にしてくださいました。きっと普通の作家先生と言われるような友禅作家さんだったら、こんな素敵な作品は生まれなかったかもしれません。碧 ao さんは、友禅という技術を昇華していくために、着物だけじゃなく日常に取り入れる商品にも友禅を施していくというスタイル。型に囚われず、様々な形で友禅を知ってもらうという、草の根の活動もたくさんやっていらっしゃるんです。
ファンキーなスタイルから生み出される、音楽的な共鳴。碧 ao さんだからこそ、色とりどりで大胆な柄じゃなくて、本当にささやかに、シンプルに、そっとさりげなく——そんな友禅が、フレンチリネンに宿りました。
ところで。
KIMONO MODERN って、2004年にカリフォルニアで生まれた時から、「自分で洗える着物」にこだわってきたんですよね。リネンって、その DNA にぴったり馴染む素材。20年経って、ようやくしっくりくる「夏の大人の普段着」に辿り着いた気がしています。
この着物をまとって、「それ素敵ね」って。そんな体験と、ちょっとした誇らしさを、この一着を通してみなさんに感じていただけたら嬉しいです。
(続きの裏話は、Threads でぽつぽつ更新していきますね)
「今月の空模様」の続きの裏話は、Threads で更新中です。










