広衿?バチ衿?木綿キモノの衿の選びかた<教えて!たなえり先生#78>

こんにちは、たなえりです。今回は、お仕立ての際に意外と迷いやすい「木綿キモノの衿の選びかた」についてのお話です。

着物の印象や着心地は、実は衿の仕立てによって大きく変わります。見た目だけでなく、着付けのしやすさや扱いやすさにも関わるポイントなので、ぜひ基本を押さえておきましょう。

まず知っておきたい、衿の基本

着物の衿の仕立てには、主に「広衿(ひろえり)」「バチ衿」、そして「棒衿(ぼうえり)」の3種類があります。

広衿の着物

広衿は、衿の幅が約11cmあり、着付けの際に自分で折って衿幅を決める仕立てです。生地が二重に重なるため、胸元に厚みと立体感が出やすく、上品で落ち着いた印象になります。そのため、正絹の着物やフォーマル寄りの装いによく用いられます。

一方で、左右の衿幅や衿合わせを自分で整える必要があるため、着付けにはある程度の慣れが求められます。

バチ衿の着物

バチ衿は、広衿をあらかじめ半分に折って縫い留めた仕立てで、衿幅は約5.5cm(衿先は約7.5cm)に固定されています。衿を折る工程が不要なため、着付けが簡単で安定しやすく、短時間で着られるのが大きな特徴です。
衿幅の調整はできませんが、普段着や気軽に楽しみたい着物には扱いやすい仕立てといえます。

棒衿は、衿を折らず、細長い一本の帯状のまま付ける仕立てです。衿元に重なりが出ないため、とてもすっきりとした印象になります。男性や子どもの着物、または舞台衣装などで見られることが多い形です。(女性の着物の衿として選ばれることが少ないので、以下説明を省略します。)

メリット・デメリットを整理すると

広衿は、衿幅を好みに合わせて調整でき、胸元をふっくらと美しく見せられるのが最大の魅力です。体型や着る場面に応じて印象を変えられる反面、着付けの際には左右のバランスを取る技術が必要です。

バチ衿や棒衿は、衿の形が決まっているため着付けが簡単で、衿元が崩れにくいのが利点です。反面、衿元の印象を大きく変えることはできません。

体型・シーン・素材で考える衿選び

一般的に、正絹の着物やフォーマルな場で着る着物は広衿、木綿・ウール・浴衣などのカジュアルな着物は、特に指定がなければバチ衿で仕立てられることが多いです。

胸元をふっくら見せたい方や、バストにボリュームがあり衿元をしっかり覆いたい方には、広衿が向いています。衿の折り方によって印象を細かく調整できるため、体型や好みに寄り添いやすい仕立てです。

ただし、木綿の着物を広衿で仕立てる場合は注意が必要です。広衿は衿裏を別布で付けるため、洗濯を重ねるうちに表地と裏地の縮み方に差が出やすく、衿元が波打ったり、きれいに沿わなくなることがあります。また、生地に厚みのある木綿では、衿元にボリュームが出すぎて重たい印象になることもあります。

まとめ|普段着の着物にはバチ衿がおすすめ

KIMONOMODERNは、ほとんど全ての着物が「バチ衿」で仕立てられています。

普段着の着物でも、ポリエステルや麻などの薄地では広衿で仕立てる場合もありますが、木綿の着物は、日常着として気軽に楽しめる反面、洗濯の頻度が高くなりやすい素材です。そのため、衿の仕立ても「見た目」だけでなく「扱いやすさ」を重視して選ぶのがおすすめです。

気軽に着る着物だからこそ、扱いやすさと着やすさを大切に、衿の形を選んでみてはいかがでしょうか。

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